神式葬儀(神葬祭)の「流れ」を知りたい方に向けて、通夜祭から葬場祭(告別式に相当)、火葬、帰家祭、直会(なおらい)までを時系列でわかりやすく整理した記事です。
仏式と違って「焼香」ではなく「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」を行うなど、作法や用語が独特なため、参列者・喪主どちらの立場でも迷いやすいのが神式の特徴です。
この記事では、全体の手順と時間の目安、香典(玉串料)の書き方、服装・持ち物、葬儀後の霊祭(五十日祭まで)までまとめて解説します。

神式葬儀(神葬祭)とは?仏式との違いと神道の死生観を基本から解説

神式葬儀は、神道の考え方に基づいて故人の御霊(みたま)を慰め、祖霊として祀っていくための儀礼で、「神葬祭(しんそうさい)」とも呼ばれます。
仏式のように僧侶の読経や焼香を中心に進むのではなく、神職(神主)が祭詞(さいし)を奏上し、参列者は玉串を捧げて拝礼するのが基本です。
また、葬儀後も「法要」ではなく「霊祭(れいさい)」として十日祭・三十日祭・五十日祭などを行い、節目ごとに奉告していきます。
まずは神式の前提となる死生観と、仏式との違いを押さえると、当日の流れが一気に理解しやすくなります。

神式葬儀・神葬祭の意味:神道における逝去と「穢れ」の考え方

神道では、死は「穢れ(けがれ)」として捉えられ、日常の清浄な場(神棚や神社の祭祀)から一定期間距離を置く考え方があります。
ここでいう穢れは「不潔」という意味ではなく、非日常の出来事によって生じる状態を整えるための概念です。
そのため神式葬儀では、故人の御霊を丁重に扱い、遺族が段階的に日常へ戻れるように、通夜祭・葬場祭・帰家祭・霊祭といった区切りが設けられています。

仏式(仏教)のお葬式との違い:用語と作法の比較

項目 神式(神葬祭) 仏式(一般的)
通夜 通夜祭 通夜
告別式 葬場祭 葬儀・告別式
弔意の作法 玉串奉奠 焼香
宗教者 神職(斎主) 僧侶
葬儀後 霊祭(五十日祭など) 法要(四十九日など)

【全体の流れ】通夜祭〜直会までの手順と時間の目安

神式葬儀(神葬祭)は、一般的に「1日目:通夜祭」「2日目:葬場祭〜火葬〜帰家祭〜直会」という2日間の流れで行われます。

区分 主な儀式 目安時間
逝去当日〜翌日 安置・納棺 数時間〜半日
1日目 通夜祭(遷霊祭含む場合あり) 60〜90分
2日目 葬場祭〜出棺 60〜120分
2日目 火葬〜収骨 90〜150分
2日目 帰家祭〜直会 30〜90分

逝去直後〜安置・納棺まで:葬儀社への依頼と注意

  • 葬儀社へ「神式希望」と伝える(神職・祭壇・玉串の手配確認)
  • 安置場所(自宅/安置施設)と面会可否を決める
  • 火葬場の空き枠を優先して日程を仮押さえする
  • 喪主・世話役・連絡係を決め、親族へ第一報を入れる
  • 神棚封じや祖霊舎の扱いは神職・葬儀社に確認する

通夜祭(神式の通夜)のやり方:参列前に押さえる基本マナー

神式ならではの所作が最も現れる場面です。当日は案内係の指示に従いましょう。

玉串奉奠(たまぐしほうてん)の作法

基本は「玉串を胸の高さで両手で持つ→祭壇前で一礼→玉串の向きを整えて案に置く→拝礼→一礼して戻る」という流れです。神式の拝礼手順(拍手の有無や忍び手)は周囲に合わせるのが確実です。

かける言葉:神道での弔意表現

  • 使いやすい言い方:このたびは誠にご愁傷さまです
  • 使いやすい言い方:心よりお悔やみ申し上げます
  • 避けたい例:ご冥福をお祈りします/成仏/供養
  • 避けたい例:重ね重ね/たびたび/またまた(重ね言葉)

香典・玉串料の基本:書き方・表書き安心ガイド

神式の上段は「御玉串料」が最も一般的です。不祝儀袋は「弔事用」を選び、蓮の花が描かれているものは避けます。

  • 表書き(上段):御玉串料/御神前/御霊前
  • 表書き(下段):氏名(会社なら社名+代表者名)
  • 中袋(表):金壱萬円(または 10,000円)
  • 中袋(裏):住所・氏名・電話番号
関係性 目安金額 補足
友人・知人 3,000〜10,000円 地域や年齢で差が出やすい
会社関係 5,000〜10,000円 社内規程があれば優先
親族 10,000〜50,000円程度 近さで調整

服装・持ち物・参列マナー:神式葬儀の基本

  • 服装:男女とも喪服(ブラックフォーマル)。真珠以外の華美な装飾は避ける。
  • 数珠:仏教の法具のため、神式では基本的に持参しなくてよい。
  • 一礼:入退場時、遺族と言葉を交わす際、祭壇前などで丁寧に行う。

葬儀後の霊祭と法要:五十日祭までの流れ

仏式の四十九日に近い節目が「五十日祭」です。ここをもって忌明けの目安とすることが多いです。

  • 霊祭:十日祭・三十日祭・五十日祭など、節目ごとに奉告を行う。
  • 埋葬:五十日祭の頃に納骨するケースが多い。火葬許可証を紛失しないよう注意。
  • 神棚:神棚封じの解除時期は神職や地域の慣習に従う。

不安を減らす準備チェック:費用内訳と業者選び

費用項目 内容例 注意点
式場・祭壇 会館使用料、神式祭壇 神式祭壇の設営可否を確認
火葬・搬送 火葬料、寝台車、安置料 自治体で料金差が大きい
飲食・返礼品 直会、会葬礼状、返礼品 人数変動で増減しやすい
宗教者 神職への御礼 金額目安を事前確認

葬儀社選びのチェックポイント

  • 神式祭壇の実例写真・式次第の提示ができるか
  • 神職(斎主)の手配方法と御礼の目安を説明できるか
  • 玉串奉奠の人数が多い場合の進行案があるか
  • 神棚封じ・祖霊舎・霊璽など家庭側の対応を案内できるか
  • 五十日祭など葬儀後の霊祭も相談できるか

まとめ|神式葬儀は「案内と作法」の事前確認が鍵

神式葬儀は、仏式とは異なる用語や作法が多く、最初は戸惑うこともあるかもしれません。しかし、基本となる「穢れを祓い、祖霊として送る」という死生観を理解すれば、一連の流れは非常に理にかなったものになります。
この記事のチェックリストや作法の解説を参考に、葬儀社とよく相談しながら、故人への感謝と敬意が伝わる厳かな神葬祭を執り行ってください。

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